青年会議所は、40歳までの青年経済人が明るい豊かな社会を築くために集う、まちづくり・人づくり・地域づくりの団体です。

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理事長所信

  • 一般社団法人旭川青年会議所
    2014年度 第64代理事長
    牧原 史典
  • 2014年度スローガン


     勇往邁進(ゆうおうまいしん)

    ~夢あふれる旭川創造に向けて~

はじめに

 1950年11月18日、旭川商工会議所1号室にて32名の出席のもと創立総会が開かれ旭川青年会議所がスタートして今年で64年目を迎えます。当時は戦後間もなく、日本再建は青年の大きな使命であると言う責任意識をメンバー全員がもち、その目標に向かい様々な青年会議所運動を展開してきました。「医大誘致」や「買物公園」実現に向け旭川青年会議所が地域に大きく貢献した事は言うまでもありません。戦後50年を過ぎたころ、日本経済は「バブル経済」と呼ばれるほど成長し、世界経済に強い影響を及ぼすほどにまで成長しました。そして崩壊・・・。バブル崩壊後、政治、経済、教育、さまざまな分野で未だ「混沌」としている時代が続いています。今こそ、我々青年経済人として新しい時代を築きあげようではありませんか。昨年は法人制度改革により社団法人から一般社団法人へと移行しました。時代の流れと共に組織や運動も変化していかなければならない時代なのです。しかし、組織や運動が変化しても変えてはならないものがあります。それは我々の目的である「明るい豊かな社会の実現」であります。我々は60周年を迎える年に2010年代運動指針である「夢ビジョン2010」を発信しました。今年は策定してから5年目を迎える年になります。本年はその「夢ビジョン2010」をより具体的に様々な運動発信をしていきます。

政治経済・基金関係

 戦後の経済低迷から見事に再建を果たした日本。一時は世界経済をリードするまでに発展しましたが、今まさに経済崩壊を一度経験し復活に向けて動き始めました。我々の地域はどうでしょうか。日本の経済の中心は東京です。アベノミクスで表わされるように政治の変化で経済が緩やかに回復していると思われます。しかしこの北海道、この旭川にその景気回復の波はいつ訪れるのでしょうか。経済の波というのは中心の発生源は大きいですが、遠くなればなるほど小さくなります。そんな経済の波を待つ「受け身」の発展ではなく、自らが発信源となり、「旭川ブランド」を市外だけではなく道外、そして海外に発信できるよう官民一体となった新たな取り組みが真の地域経済の成長になるのです。

 また、この旭川には我々と同じように旭川の発展に寄与している団体がまだまだあると思います。青年会議所として、JAYCEEとして、これからの時代は他団体と協働することも必要ではないでしょうか。我々と同じ志を持つ団体を見つけた時、我々の持つ力がどの程度大きな力になるかは未知数ですが、その団体に協働、支援していく事で我々の小さな運動が少しでも伝播し、この旭川が発展していくことと思います。

青少年育成・復興に向けて

 これまで旭川青年会議所は青少年育成事業として「キャンプ」や「職業体験」など、学校と連携を図り授業の一環として取り入れていただいたことや、学校・家庭・地域がうまく連携を図る事を目的とした事業など様々な運動を展開して参りました。しかしそれらはあくまでもその時、その時代のみの運動展開にしか過ぎない気がしてなりません。これからの未来、これからの日本を担っていく子どもたちが本当に明るい豊かな社会を作っていくために必要な事は何でしょうか。私はここが一番大切な部分だと考えます。今の子どもたちは、我々を含め戦争を経験しておりません。戦後の復興で物が無い時代を過ごした子どもたちはどのような幼少期を過ごしてきたのでしょうか。現代の子どもを取り巻く環境はモノがあふれています。少子化に伴い必要なものは全て親が揃えてくれる時代です。また、情報化社会によりインターネットを通じて必要な情報はすぐに調べれば分かります。それは良い情報だけではなく、時には子どもにとってはまだ早い、不必要な情報までもが知ってしまいます。「百聞は一見に如かず」ということわざがあるように、聞いた情報だけでは十分ではないと思えます。いま子どもたちに大切な事はより多くの様々な経験をさせることだと考えます。経験豊富な子ども達を少しでも多く育てる事が必要です。その経験豊富な子ども達を育てるためには、まずは大人が自分の経験を子どもたちに伝え、考えさせる事が大切であると考えます。

 また、東日本大震災が発災してから今年で3年が経過しようとしています。しかしながら、被災地ではまだまだ「復興」という言葉には遠い地域がたくさんあります。明るい社会の実現をさせるためには「震災からの復興」は避けて通れないものです。旭川と被災地、それぞれ日本の未来を担う子どもたちがお互いの経験や今置かれている環境に触れ合う機会を持つ事が「復興」から「たくましい日本」を創り出すのです。

広報、渉外

 どれだけの旭川市民の皆様が旭川青年会議所という団体を知っているのでしょうか。実際に何を行っている団体かは知らない人が多いように感じます。我々が旭川青年会議所に所属しているからそう感じるのでしょうか。実際に私が青年会議所に入会する時には、名前こそは聞いたことはありましたが、どんな活動をしている団体かは知らないで入会いたしました。みなさんは自らの言葉で青年会議所を語れますか。青年会議所運動を広報するのは一委員会の担いだけではありません。本年は広報委員会だけが対外に発信するのではなく、メンバー一人ひとりが青年会議所を語れるよう、連携を取ることで多くの市民に発信します。加えて、数多くのLOMメンバーが公益社団法人日本青年会議所や北海道地区協議会に出向しております。あなたは旭川青年会議所を代表して出向しているメンバーの活動を知っていますか。また知る機会がありますか。出向しているメンバーがどのような活動をしているかを広報する事はもちろんの事、日本や地区の事業へ多くのメンバーが出席する事こそが、出向しているメンバーへの最大の労いではないでしょうか。渉外活動を活発に行う事でLOMメンバーが少しでも多く事業に参加し、日本や地区の事業を知ることこそLOM活発にとって大切なことなのです。

冬、夏まつり

 我々旭川青年会議所は「まちづくり」という視点から過去何度も冬・夏まつりの支援を行ってきました。その双方に共通するのは「郷土愛」を育むという言葉ではないでしょうか。冬まつりでは近年、アイスアートヴィレッジ構想からアイスドームやスノーシアターなど斬新な事業を行ってきました。それらは市民の皆様や観光客には一定の評価を得て素晴らしい事業になっています。また、近年の冬まつりでは毎年のようにボランティアの方が参加し、そして年々参加者が増えています。しかし参加する目的は達成されても、真の市民による市民の為の「冬まつり」になっているのでしょうか。今一度「冬まつり」を支援していく目的を見直し、我々青年会議所として毎年行われる「冬まつり」に何を求めるのか。我々は本当の意味での「冬まつり」を行わなければならない時期に来ていると感じます。

 一方、本年で24回目を迎える「烈夏七夕まつり」に目を向けると、これまで実行委員会では市民の皆様から役員を選出し、青年会議所と一丸となって事業構築し、より旭川を発展させるべく「烈夏七夕まつり」を行ってきました。まさに市民主体のまつりが完成に近付いているのではないのでしょうか。しかしながら「郷土愛」育むにはまだ歴史が浅くも感じます。今後30年、40年、そして100年と続く真の旭川を代表するまつりにするためには、我々の先輩が何故この烈夏七夕まつりを始めたのか、その原点を今一度思い直す事が必要です。加えて、市民を参加させるだけではなく、参加した方それぞれが「旭川の発展」「郷土愛」という共通のキーワードを目的におき、強化していく事が歴史あるまつりを築くのです。

新会員、会員研修

 新会員はLOMの宝です。青年会議所には「卒業」という終わりの年がどのメンバーにも訪れます。当たり前ですが、卒業してしまうと青年会議所運動は出来ません。その卒業した後に我々の運動展開を継承してくれるのが新会員です。本年は65名スタートと言う旭川青年会議所始まって以来の危機的状況からのスタートです。しかし、その危機的状況を逆にとらえて、未来に向かって旭川青年会議所が生まれ変わるチャンスだと考え、一人でも多くの同じ志を持つ「同士」を見つけようではありませんか。私が旭川青年会議所に入会したのは2008年です。当時、青年会議所の事を何も知らなかったこの私が本年理事長と言う大役を仰せつかる事になったのも、過去に卒業された先輩や今残っているメンバーから多くの事を教わったからです。今まさに変革の時代にあって旭川青年会議所も大きく変わろうと言うこの時代に、多くのメンバーを迎え入れ、そしてこれまで卒業された先輩が培ってきた伝統、目的を今一度振り返りながら新会員に伝えると共に、我々メンバーも継承していくことがこの青年会議所運動を恒久的に発展させるのです。

  「例会出席率が低い」「やらされ感がある」「mustって?」そんな言葉を耳にした事のあるメンバーは少なくありません。それらはなぜでしょうか。我々は「明るい豊かな社会の実現」「恒久的世界平和の実現」など、青年会議所として大きな目的を共有しているはずです。しかしながら、現在においては少しその目的共有意識が薄れているようにも感じられます。まずは我々が青年会議所運動を行っていく上でこの大切な目的意識を共有する為に、青年会議所に所属している意義、目的を改めて考える必要があります。そしてそれだけでは同じ目的を共有して運動展開していくのには少し足りません。各々がこの青年会議所活動を通じて自身の企業や生活に持ち帰れることがないと、より積極的に参画する事は難しいと考えます。メンバーもこの疲弊した経済状況の中で企業を代表して青年会議所に所属している以上、会員研修では企業に持ち帰ることが出来る、また、自身のプラスになるものを行うことが必要です。

総務・財務

 我々の組織が円滑に動き、青年会議所運動を展開していくために、総務はLOMにとっては欠かせない存在です。各委員会が事業を行う上で議案を書き、それを一括でまとめスムーズに理事会資料として配信するだけでなく、旭川青年会議所の新年交礼会、総会、周年、さまざまな大きな式典を一手に引き受ける職務です。

 また、法人制度改革により一般社団法人へと移行した今、さらに精度の高い報告書の作成という重要な担いが与えられました。LOMの財政面である予算、決算には大変な時間と労力が必要なポジショニングである事は誰もが知っている事ではありますが、決して表だって出てくるものとは限りません。そんな総務・財務のおかげで我々が運動展開している事を忘れてはなりません。

 また、本年も今後メンバーの増員をLOM全体の目標として意識して会員拡大に取り組んでいく所存ではありますが、まだまだ飛躍的にメンバー増大がなされる確約はありません。近年も財政面で問題になっていますが予算が減少しており、各委員会事業費も過去と比べると非常に減少しております。これからは、たとえやりたい事業があっても出来なくなる事も考えられます。その様な問題を解決する為にLOMの本来ある事業費以外の予算を獲得すべく、各事業でかかる費用を委員会の垣根を超え、財務的に相談できる組織に変えると共に、外部から資金を調達できる事を考えて行かなければならない年になってきていると考えます。

終わりに

 私は入会7年目で理事長と言う大役を仰せつかりました。過去をひも解いてもこの入会年度で理事長職を受けた先輩は数少ないです。時代の流れと共に入会年度が少ない新入会員が増えている現実。それを打破すべく新会員の獲得にはより一層本年も力を入れて行きますが、すぐには現況が変わるとは思いません。しかし、入会年度が浅くとも「JC」という組織で色々な職務が出来る環境を整える事で、これからも青年会議所は発展していきます。私は青年会議所の目的を今一度思い直し、想い描き、青年会議所を引き継ぐ「次代を担う青年経済人」の発展に寄与していきたい。

 「勇往邁進」目標や目的に向かって勇敢にまっしぐらに突き進む。
この言葉を胸に「夢あふれる旭川創造に向けて」メンバーと共に進みたいと強く思うのであります。

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