基本資料
理事長所信
-
- 一般社団法人旭川青年会議所
2021年度 第71代理事長 - 尾野 洋介
- 一般社団法人旭川青年会議所
-
はじめに
旭川青年会議所は1950年11月18日に創立されて以来、先輩諸兄が歴史を紡ぎ、昨年で70年の節目を迎えました。伝統の烈夏七夕まつりは30回を数え、さらに30年ぶりの主管となった第69回北海道地区大会旭川大会が開催された年でもありました。この3つの大きな事業を実施することができたのは、難しいからと言って安易に投げ出さず「今できること」と全力で向き合い、青年としての英知と勇気と情熱をもって困難を乗り越えてきたからに他ありません。私たちは、ひたむきで、前向きで、なにより若者です。このような力があるからこそ、旭川青年会議所は70年もの歴史を刻むことができたのではないでしょうか。
新型コロナウイルスと向き合って
昨年、新型コロナウィルスのパンデミックが発生し日常は大きく変わりました。他の国や地域との連携は減少し、オリンピックをはじめ、多くのイベントが中止または延期を余儀なくされました。生活においては、密閉・密集・密接を避ける新しい生活様式が採用され感染拡大の防止に努めていますが、一方でヒト、モノ、カネの動きは停滞し経済にも大きな損失を与えています。人々は日常において、生命を守る事と経済を守る事の双方を達成していくべく行動しています。いつ終わるとも知れないコロナ渦において、私たちができることを、できるやり方で、全力で取り組んでいかなければなりません。
変えるもの
新型コロナウィルスというネガティブな要素と、技術革新、デジタルの定着というポジティブな要素が目まぐるしく世界を変えていく時代において、変わらないものは生き残ることができません。従来はPDCAサイクルで組織を成長させてきましたが、近年は変化に追いつかないことも多く、前例が無い状況においては弱いという一面もあります。今求められるのは、現在おかれた状況から未来を予測し、前例が無い中でも未来を切り拓く先駆者となる組織であり、変化に速く柔軟に対応できる、自走する組織です。旭川青年会議所がまるで一つの生き物のように即時的に全体に情報伝達がなされ、速さとしなやかさと強靭さを持つことが重要となります。そのような組織を作るためには、まず青年会議所の普遍的な理念が一人ひとりの心に浸透し、多様な個性が輝きながらも、同じ方向性をもって行動する事が必要です。
変えてはいけないもの
私たちはこれまでずっと、明るい豊かな社会を創造するために、旭川という地域が持つ本質を見極め、それぞれの時代において本当に必要とされるものを提供してきました。人が望むものと、その人にとって本当に必要なものは時に異なることがあります。本当に必要なものを提供するために、多くの調査研究と議論を重ねる場を持っている事と、実行するためのプロセス、能動的な行動力を持っている事が青年会議所の良さでもあります。修練・奉仕・友情の三信条のもと「地域の未来を真剣に考え、時にはぶつかり合い、時には肩を組みあい、友情を築き上げる事」「多様なステークホルダーと連携し運動を展開していく事」、これらはいつの時代も変わらずに持ち続けるべきであり、守っていかなければならない事です。
魅力的なあさひかわを
旭川は多くの魅力がある都市です。自然と都市機能が融和し四季折々の美しい風景を見ることができるうえ、1年を通して旭川冬まつりや旭川夏まつり、秋には食べマルシェなどその時々において人々でにぎわう魅力的な事業も開催されます。また、空港があり、温泉などの観光地もあり、農作物や旭川ラーメン、そばといった多くのグルメがあり、地酒も豊富と、一つ一つ上げていけばきりがありません。これだけの強みを持ちながらも、2040年には消滅の可能性がある都市のひとつとしてあげられる旭川において、今何が必要なのでしょうか。人口減少による都市の弱体化へ対抗するには、単に人口を増やすという対策だけではありません。SDGsで地域の特性を分析すること、強みにさらなる付加価値をつける事、あるいは弱みを補うために他の地域との連携も含めた多くの対策を行う事で、地域資源が大いに活かされ、人々が住みたくなるまち、郷土愛にあふれる魅力的なまちを創造することができるでしょう。
We need
時代の変化に従ってやり方を変えようとも、在り方は変わらず、いつの時代も先駆者であり続ける魅力的な組織、それが私たちです。そして旭川青年会議所メンバーであるとともに、市民であり、企業人であり、家族の一員です。それらの多様な主体(We)のために、望み(Want)ではなく真の必要(Need)を追求し、共に明るい豊かな旭川を創造しましょう。輝ける地域の創造が、輝ける北海道、日本の創造につながることを信じ、皆で一丸となって、歩み続けましょう。
「一人の百歩より、百人の一歩」
歩む速度は人それぞれ違えど
誰一人取り残さない社会に向けて