基本資料
理事長所信
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- 一般社団法人旭川青年会議所
2023年度 第73代理事長 - 清水 健史
- 一般社団法人旭川青年会議所
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あなたは、どのような人生を生きたいでしょうか。
あなたは、なぜJCをしていますか。
JCでの活動によって何を得ようとしていますか。
あなたの隣のメンバーは、あなたとは違う人生を描いています。その隣のメンバーは、また違う人生を描いています。
JCはどうすれば多様な人生を描くメンバーに価値のあるものを提供できるでしょうか。
このまちはどうあるべきでしょうか。
このまちに住む、多様な個性をもつ人々が、自分の描く人生を追い求めやすいまちをつくるにはどうしたら良いでしょうか。
それは私たちだけでできるでしょうか。どうすればまちの人たちを巻き込んで運動をつくっていくことができるでしょうか。
このような問題について、私はこの一年、あなたと一緒に考えて、活動をしていきたいと考えています。
大丈夫。
私たちならできます。
私は私たちの力を信じています。
さて、JCとは何を達成するための組織なのでしょうか。まずはそれについての私の理解をお示ししたいと思います。JCには「修練」「奉仕」「友情」という三信条があり、この3つ観点から説明をしてみたいと思います。
「修練」~それぞれの個人が思い描く、ありたき姿に近づくこと~
ここでいう「修練」とは、「発展と成長」(JCI Mission)のことです。
発展と成長とは、個人としてより良くなることです。
個人としてより良くなるというのはどういうことでしょうか。それは、個人が思い描く、ありたき姿に近づくことです。個人が思い描く「こういう人生を実現したい」という人生の実現に近づくことといっても良いでしょう。
では、JCメンバー個人の考えはどんなものでも良いのでしょうか。基本的にはそうです。「人間の個性はこの世の至宝である」と考え(JCI Creed)、「輝く個性が調和する未来」を描く(JC宣言)JCは、会員が多様な考えをもって共に運動していくことが良いことだと考えています。
もっとも、まったく限定がないのかというとそうではありません。
まず第一に、自分がどのような人間でありたいか、どのような人生を送りたいかという考えをもっているか、少なくともそれをもちたいと考えている必要があります。JCI Creedの「真理は人生に意味と目的を与える」というのはそのような人生観の確立を求めているものだと私は理解しています。
第二に、その自分の理想とする「ありたき姿」に近づきたいという思いをもっている必要があります。これは「発展、成長をしたいと思っていること」といっても良いでしょう。それは、自分のありたき姿はどのような状態かをクリアにイメージし、それを実現するためには何が必要かを考え、具体的な行動に移そうとする姿勢です。
第三に、社会をより良くしたいと思っている必要があります。これは自分が掲げる「ありたき姿」の内容に関する条件といっても良いです。「人類への奉仕」を人生最大の使命と考え(JCI Creed)、「明るい豊かな社会」を願い(綱領)、「希望をもたらす」変革の起点とならんとする(JC宣言)ことを誓うJCは、メンバーが社会をより良くしたいと思っていることを前提としています。
JCは、このような、つまり、自分個人のありたき姿を描き、そうなりたいと願い、併せて社会もより良くしたいと思うすべての青年に対して、そのありたき姿に近づくための、発展と成長の機会を提供します。
「奉仕」~社会をより良くする~
奉仕とは、「人類への奉仕」(JCI Creed)であり、「明るい豊かな社会」を築くこと(綱領)であり、そのために「社会により良い変化をもたらすこと」(JCI Mission)です。
それは「持続可能な地域をつくる」ことであり、そのために「社会の課題を解決」することです(JC宣言)。その時代ごとに、地域に沿った、まちの(あるいは地域の、国家の、世界の)ありたき姿を描き、そのありたき姿と現状を分けているものは何かという課題を探り出し、その課題を解決するということを意味します。
その中で、メンバーは、社会のあり方についての様々な考え方や、現状を学び、課題を解決するための様々な発想や、人の巻き込み方を学び、メンバーや、一緒に事業をつくってくれるパートナーなど様々な人と出会うことができます。
「友情」~チームメート~
JCでは、社会により良い変化を生み出すために、各人が発展と成長をしていく中で、かけがえのない友情を得ることができます。
JCIのCreeedやVisionでは「人類の同胞愛は国家による統治を超越する」とか「行動を起こす青年の国際的ネットワーク」になるということをうたっています。これは国際機関だからこのようにうたっているのであって、要するにJCメンバー同士の間には分断され得ないつながりが生まれるということを述べています。
もっとも、ここでいう「友情」「同胞愛」「ネットワーク」などは、私の理解するところによれば、単に「友達」「人脈」などというものを意味しているのではありません。
JCにおいては、社会をより良くしたいという、換言すれば、他の人の幸せを願う思いがあって初めて私たちは一緒に活動をすることができます。また、社会により良い変化をもたらす活動は一人ではできません。社会を、他人を幸せにしたいという「志を同じうする者」(綱領)が相集って力を合わせ、初めてそれは可能となるのです。さらに、ともに発展、成長をしたいと思っているメンバー同士だからこそ、ともに刺激し合ってより多様な、より迅速な成長を遂げることができるのです。
その意味では、「チームメート」「戦友」などという言葉のほうが語感が近いかもしれません。
今、修練、奉仕、友情という三信条を用いてJCとは何かを話してきましたが、この3つの価値は、別々に得られるものではなく、不可分一体のものです。社会や他の人の幸せを自分の喜びと感じられる人が集まって、どうやったらより良い社会をつくれるか考え、具体的な行動をするという奉仕の中で、各人がそれぞれのありたき姿の実現に必要な知恵や知識や行動力の発展や成長を得、併せて刺激しあえる戦友との友情を手に入れていくことができるのです。
それではこのような価値を生む私たちの活動や組織はどうあるべきかを次にお話しさせていただきます。
まちのビジョンを描くこと
私たちは、「明るい豊かな社会」を築くこと(綱領)、そのために「社会により良い変化をもたらすこと」(JCI Mission)をその使命としています。それは「持続可能な地域をつくる」ことであり、そのために「社会の課題を解決」することです(JC宣言)
もっとも、ここでいう「持続可能な地域」とは、単に存続し続ければ良いというものではありません。そこに住む全ての人々が、理想とする人生を希求し、多様な考えやそれによるアイデアによって自由にその個性を発揮して、商いその他の活動に挑戦し続けられる社会を意味します。
それでも、そのような持続可能な地域のあり方は一つだけではありません、それぞれのまちの自然や産業などの特徴、歴史的な背景やそこに住む人々の性格的特徴などによっても変わってくるものと思います。
したがって、明るい豊かな社会をつくる、持続可能な地域をつくるためには、「このまち(地域)における」明るい豊かな社会とは、持続可能な地域とは、どのようなものか、まちのありたき姿を描かなければなりません。それを描いて初めて私たちは、ありたきまちの姿と現実のまちの姿とのギャップを描き、それがどうして生じているのかを考え、そのギャップを生む原因に対してアプローチをしていくことができます。まずはメンバーが共有する、この地域における明るい豊かな持続可能な地域がどのようなものかを描いていきましょう。
自分で考えて行動することの価値を大事にしたい
まちのビジョンはそれぞれの地域に住んでいる人々、旭川及びその周辺であればこの地域に住まう人々によって描かれるべきものでありますが、一点だけこれは譲れないという価値があります。
それは、すべての人々が、どのような人生を生きるかを考え、ありたき人生を追い求め、その中で自分の考え方やそれに基づく具体的なアイデアに基づいて、自由にその個性を輝かせることは良いことだという価値観の共有です。それは、青少年その他の市民に対して、そのような人生を歩むことを促すことであり、行政や関係団体の方々には多様な市民の自己実現をバックアップするまちを目指すよう訴えるということです。その社会は、多様な考えや生き方や、それに基づくチャレンジに対し互いに寛容で、共生が可能な社会であり、それだけではなく、自らの力だけでは十分な活動ができない人に対しては、十分な助力がされる社会をつくることです。
「真理は人生に意義と目的を与え」ると信じ、自由な経済や法治主義を唱え、人間の個性はこの世の至宝であるととなえる(以上JCI Creed)JCは、すべての個性が輝く社会を希求しています。
旭川青年会議所も、2020年に主管した、公益社団法人日本青年会議所 北海道地区協議会 第69回北海道地区大会 旭川大会においては、「咲誇る未来へ」を大会テーマとして、性別、年齢、国籍、宗教、障がいの有無などを問わず、様々な個性をもつ人が、その個性を生かして活躍できる社会の実現を訴えました。
私たちは、自ら考えて、それを自らの言葉や行動で表現し、理想の人生の実現をチャレンジしていく、そんな人たちを応援し、そのような社会をつくる人たちを応援します。
ありたき人生を歩むために
では、このような運動をしていくJCのメンバーは、どうあるべきでしょうか。私は、次の通り考えています。
まずは、世の中をより良くしたい、他の人を幸せにしたい、他の人の苦しみを解決したいという思いをもっている必要があります。私たちは、明るい豊かな社会を創造することを究極的な目標とする団体だからです。
次に、自分がどういう人生を生きたいかを真剣に考え、そのためにどういうものを獲得する必要があるかを考え、そのために具体的な行動をとろうという姿勢が必要です。それは発展と成長を追い求める姿勢です。JCは、まちのありたき姿を描き、現状とのギャップがどうして生まれているのかを調査し考え、それを解決するために多くの人を巻き込んで、世の中の人たちに対して発信をし、課題を解決していこうとしています。その中では、まちのありたき姿についての考えをめぐらし、現状を調査し、やるべき活動を特定し、人に訴えかけて共感をしてもらい、一緒に何かを変えていく力が求められます。そこで得られる知恵や、人に対して訴える力、人とのつながりは、各メンバーそれぞれの歩みたい人生を実現するにあたって、必ずや役に立つはずです。ありたき人生の姿がクリアであればあるほど、そういう人生を実現したいという思いが強ければ強いほど、JCでの活動によって得られるものもより多く、より深くなるものと思います。
また、会員拡大も、その延長線上にあるべきものだと考えます。JCに入れば何が得られるのか。友達はつくれます。それも間違ってはいません。しかしそれは十分ではありません。JCに入れば、その人が生きたい人生に近づくために、その人が自分のありたき姿に近づくために、役に立つということがいえなければなりません。JCに入ることによってより良い人生を生きられるようになるからこそ、私たちはより多くの若者に、JCに入ることをお勧めするのです。それはメンバーの側から見れば、自分たちが「JCに入って良かった」といえるJCにしないといけないということでもあります。
多様なメンバーがともに活躍できる組織をつくりたい
運動を展開していく私たちの組織はどうあるべきでしょうか。
すでに繰り返し述べている通り、JCは、メンバー各人が、世の中をより良くしたいと思い、他の人がより良い人生を歩むことを願う心をもっていることを前提として、社会により良い変化をもたらすための活動をし、それを通して各メンバーが思い描くより良い人生を実現するための発展と成長の機会を提供とすることを目的としています。
そして、そこにおいては、各人が多様な価値観、多様な個性をもつメンバーがともに明るい豊かな社会という目標を追いかけることが想定されています。
つまり、JCは、社会や他の人の幸せを願い、自分自身の理想を追いかける人であれば、どんな人に対しても、その人が世の中の役に立つ機会を提供し、その人の発展と成長の機会を提供できる組織でなければなりません。
東京や札幌のような大都会ほどではないにせよ、この旭川周辺にも色々な人がいます。メンバーにも色々な人がいます。メンバーになってほしい人、メンバーになる資格のある人の中にも色々な人がいます。私たちは、上記の前提を共有する人であれば、それがどんな人でも、一緒に世の中により良い変化もたらす活動をし、それを通して発展や成長を遂げられるようにする必要があります。
性別や、人種や宗教はもちろん、たとえば子供を育てている方でも、たとえば主に夜に商いをしていても、あるいはなかなか自分で自由に時間を調整することができない方でも、その人が世の中の役に立ちたい、それを通して成長したいと思っている限りにおいて、私たちは門戸を開き、一緒に議論をして、行動して、成長していけるようにしていかなければなりません。
多様な人が参画できる組織は、長期的に見れば、多様な意見が現れ、独創的なアイデアが出やすい組織にもなります。
多くの人を巻き込んで運動をしていくために
さらに繰り返し述べますが、JCは、世の中により良い変化を起こすこと、メンバーがその活動をすることを通して、発展と成長をしていくことを目的とします。
それは主として運動を担当する委員会を中心として行うのではありますが、もちろん彼らだけで目的を達成できるわけではありません。世の中により良い変化を起こすためには、私たちの運動に共感をして一緒に広げてくれる人たちや、メディアの皆様、一緒に事業を構築してくれる講師などのパートナーの皆様や、調査をする段階で話を聞き行く旭川周辺の諸団体の皆様や行政の皆様の協力が必要です。また、メンバーを巻き込んで発展と成長の機会を提供するためには、メンバーに対しても自分たちがやっていることの意味や効果、他の委員会がどんなことをやっているのかなどの情報を十分に提供し、皆が一緒に運動を展開していける状態をつくる必要があります。さらに、今後JCの運動を大きく展開していくためにはこれからメンバーになってくれる可能性のある方たちへの発信も大事なことです。
このように、十分なJC運動を展開していくためには、たくさんの関係者との間において、信頼を構築し、継続的な情報交換をし、共感を生み出し、一緒に歩んでいける環境をつくっていくことが必要です。これは一挙手一投足でできるものではなく、地道で継続的で、そして相手に寄り添った活動をしていくことが必要です。
無駄な業務はやめて、必要な運動により集中できる環境をつくろう
これまで、JCは何を目的としているか、そのためにどのような組織であるべきか、メンバーの皆さんにどうあってほしいか、どのような運動をしていきたいかということについてお話してきました。
他方で、どうすればメンバーの労力を無駄に費やさずに、重要なことに力を集中できるようにするかということも大切なことです。やっていることの一つひとつについて、それは社会をより良くすることつながっているだろうか、それはメンバーに発展と成長の機会を与えているだろうか、それはメンバーの友情や信頼関係構築に役に立っているだろうかということを考え直す必要があります。もし役に立っていないのであればやめるべきですし、多少役に立っているとしてもあまりに労力がかかってしまい、担っているメンバーの人生を不幸にする程度のほうが大きいのであれば、やはりやめたりやり方を変えたりする必要があります。
JCメンバーは、JCにおいて社会をより良くするための運動をしながら、自分の仕事においても社会の役に立とうとしている多忙な仲間です。JCメンバーが、自分の人生を精一杯生きながら、社会の役に立って、さらに成長してさらに社会の役に立とうということをしているのに、無駄にエネルギーを費やす余裕はありません。
各メンバーのエネルギーを、明るい豊かな社会の創造や、メンバーの発展や成長のために最大限結びつけられるようにするために、効率的なJC運動をできるための仕組みを実現する必要があります。
そのための手法に限定はありません。策定から約10年を経た定款その他の規定についても、JCの目的達成のためにより適したものに改訂したほうが良いのであれば、改訂を躊躇する理由はありません。
まつり~その代え難い魅力と目指すべき方向性について~
JC1旭川が長年取り組んできた運動の一つに、烈夏七夕まつりや旭川冬まつりの支援といった「まつり」があります。
これらのまつりは先人たちが長年にわたってブラッシュアップをし続けてきた結果、多くの幸せを生み出す仕組みとなりました。
まちに賑わいをもたらすのはもちろん、青少年に太鼓や踊りの文化を伝える側面や、郷土愛を育てる側面、多くの人をまちづくりにまきこむ側面など、多様な側面をもっています。
そしてまた、メンバーに対しても、その時々の担当委員会を中心にまつりの「ありたき姿」を描き、より多くの人の幸せのために毎年新しい工夫をし、参加団体を巻き込み、市民を巻き込むなど多くの機会を提供してきました。
私がこの「まつり」について思うのは、いかにまつりの魅力を維持し、活かしながら、運営の仕組みをシンプルにしていくかということです。
まつりの人を惹きつける力は絶大です。日々色々なメッセージを色々な方々に訴えかけようとしてきた私たちには、関わる人や伝える相手を集めることの大変さがよくわかっています。私たちの運動においてこのまつりの力を活かさない手はありません。
他方でまつりがメンバーの時間やエネルギーを使いすぎ、新しい事業を行うエネルギーを削いでしまうことは、常に新しいチャレンジをしていくJCという組織にとって良いこととはいえません。やり方をよりシンプルにして、ノウハウを見える化して、メンバー以外の方々も一緒に企画、実現しやすい仕組みをつくっていくことが重要です。
最後に
社会により良い変化をもたらすこと。それを通してメンバーに発展と成長の機会を与えること。
いろいろと述べてきましたが、私がお伝えしたいことはつまるところこれにつきます。
しかしこれは大変なことです。
こんなことを、仕事と両立しているJAYCEEは本当にすごいと思います。
大丈夫。
私たちならできます。
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